2024年7月21日(日)、正しい歩き方とは?歩行の評価とコンディショニングセミナーを開催しました。歩行は日常生活で最も頻繁に行われる運動です。その歩行が崩れると、体への負担を増やし、状態が悪くなれば歩行も悪化します。
本セミナーでは、歩行のメカニズムを分析し、評価方法を学びました。そして、歩行が崩れる原因を探り、それを修正するためのコンディショニングアプローチを習得しました。
セミナーの様子は、以下の通りです。
※本セミナーは7月28日(日)にオンライン講座として販売されます。詳細・お申し込みは下記リンクをご覧ください。
歩行のバイオメカニクス
まずは、歩行のバイオメカニクスを座学で学びます。歩行とウォーキングの違いや、歩行の基本的なメカニクス、筋電図の活用、歩行が崩れる原因などを詳しく学習します。これらのバイオメカニクスをしっかり理解することで、クライアントの歩行評価時に何が問題となっているのかを正確に分析し、適切な改善アプローチを行えるようになります。
歩行の評価
実技の最初は歩行の評価でした。受講者の皆様に歩いていただき、それぞれの歩き方を確認していきます。その後、各自の歩き方の癖や印象について受講者のみなさまでディスカッションを行いました。倉持氏は、具体的には分からなくても、違和感を感じたらそれを言葉にすることが大切だとおっしゃっていました。
呼吸のトレーニング
コンディショニングのエクササイズでは、最初に呼吸を行います。腰が反っている状態だと腹圧がかかりにくく、この状態でコンディショニングを行っても効果的ではありません。呼吸のエクササイズを行うことで胸郭と骨盤の位置関係が整い、腰の反りが改善され、その後のコンディショニングエクササイズの効果を高めることができます。また、呼吸を行うだけでも歩行動作の改善が見られる方もいらっしゃいます。エクササイズでは、横隔膜が動きやすいポジションを作ったうえで、呼吸のエクササイズを実践しました。
回旋に対する安定性の強化
四つん這いで行うこのエクササイズでは、体幹にかかる回旋の負荷に対して抵抗するための力を養います。このエクササイズを実践することで、歩行時の過度な回旋を抑えることができ、より安定した姿勢で歩行が可能になります。このエクササイズでは、四つん這いの状態でさらに脊柱を屈曲させ、腹筋群に力が入りやすいようにすることがポイントです。
回旋の可動性を高める
回旋の安定性を作ったら、次に胸椎の回旋可動域を高めるエクササイズを行います。体幹を安定させた状態で胸椎の回旋が行えるようになることで、安定した自然な歩行が可能になります。歩行時に左右差が出る方は、胸椎の可動性にも左右差が顕著に現れていました。ここで大切なのは、いきなり胸椎を動かすのではなく、呼吸から順番に行うことでエクササイズがより効果的になるということです。
股関節の筋の強化
中殿筋や内転筋群などの股関節周囲の筋群へのアプローチを行っています。片脚で立ったときに軸脚を安定させるためには、これらの筋群が適切に働くことが重要です。細かなポイントを押さえることで、基本的なエクササイズをより効果的に行えるようになります。例えば、写真のように体幹のくびれの部分を手で押さえることで、体幹の代償動作が減り、中殿筋をより効果的に刺激することができます。
最後に
セミナーの最後には、受講者のみなさまに再度歩いていただき、最初との変化を確認しました。多くの方の歩き方が大きく改善され、驚きの声も上がりました。歩行は誰もが頻繁に行う運動ですが、ここへのアプローチはあまり行われていないことが多いです。トレーニングで筋肉を鍛えても、日常的な動作が改善されていなければ、体の変化や不調の解消は難しいでしょう。まずは、歩行という基本的な動作について理解を深め、エラーがあれば解消していくことが重要です。そうすることで、運動指導を受けている方々のQOLを高め、より充実した生活をサポートできるようになります。今回ご受講されたみなさまが、学んだ知識を多くのクライアントやご自身の生活に活かしていただけることを願っています。
※本セミナーは7月28日(日)にオンライン講座として販売されます。詳細・お申し込みは下記リンクをご覧ください。