2024年6月6日(木)にコンディショニングスペシャリスト養成講座を開催しました。近年、パーソナルトレーニングにおいては、ただトレーニングを行うだけでなく、コンディショニングを整え、体の動きを改善し、パフォーマンスを向上させることが主流になりつつあります。しかし、「コンディショニングとは何か?」という根本的な考え方は、まだ広く知られていないようです。
この講座では、コンディショニングサロン「めんてな」の代表で、多くのアスリートや体の不調に悩む方々の問題を解決してきたコンディショニングのスペシャリスト、倉持江弥氏を講師に迎えました。倉持氏からは、「コンディショニングとは何か」についての基本的な考え方、体の評価方法、コンディショニングを整えるためのアプローチ方法やテクニックをご紹介いただきました。本稿では、その講座の様子をお届けします。
※次回開催は9/16(月祝)です。詳細・お申し込みは下記リンクをご覧ください。
コンディショニングとは何か?
最初に、座学で「コンディショニングとは何か?」という定義について共有していただきました。コンディショニングの目的は、パフォーマンスを向上させるために心身の状態を整えることです。これにより、QOL(Quality Of Life)の向上を目指します。また、「コンディショニングが良い状態とは何か」「コンディショニングが崩れる要因は何か」「メディカルとコンディショニングの違い」についても説明がありました。これらを明確にすることで、運動指導者が何をすべきかがより具体的に理解できるようになります。
姿勢の評価
コンディショニングを始める前に、まず現状を把握することが必要です。体の不調がどこから来るのかを評価によって見つけ出します。最初に姿勢の評価を行い、矢状面・前額面から姿勢を診る際のポイントや診るべき順序を、受講者一人ひとりに丁寧に指導しました。この姿勢評価の内容をメモし、後の動作評価に進んだ際に、姿勢評価とどこか繋がっているかを考えます。姿勢評価と動作評価を通じて、その人の問題点を考察し、講座終了時にはどの程度改善が見られたかを確認しました。
呼吸へのアプローチ
講座の中で最初に行ったコンディショニングのアプローチは、呼吸に関するものでした。自律神経の働きが乱れると、腹圧がかかりにくくなったり力みに繋がり、体の動きが崩れる可能性があります。呼吸エクササイズは自律神経にアプローチできる唯一の方法です。
講座では、まず座学で呼吸の理論をしっかり学習し、その後エクササイズに取り組みました。写真で行っているのは、回旋のポジションを取った状態での呼吸エクササイズです。他にも仰向けや四つん這いの姿勢での呼吸エクササイズを行いました。それぞれの姿勢には意味があり、なぜその姿勢で呼吸を行うのかについても解説を受け、理解したうえで実践に移りました。
呼吸エクササイズを行っただけで動作の改善が見られ、受講者からは驚きの声が上がりました。
反回抑制
股関節に対して「反回抑制」と呼ばれるアプローチを行いました。これは、対象筋を最大収縮させることで筋の疲労を引き起こし、その結果として筋緊張を低下させるテクニックです。大腿筋膜張筋、小殿筋、外旋六筋、恥骨筋、腸腰筋といった筋群にアプローチしました。この後、動作を行うことで劇的にしゃがみやすくなったり、股関節のつまりが取れたりしました。
股関節の動きはパフォーマンスにとって非常に重要です。股関節が適切に動かせるようになることで、トレーニングやスポーツ、日常生活を高いパフォーマンスで行うことができるようになります。
脊柱へのアプローチ
脊柱へのアプローチを行いました。脊柱の動きを改善することで、回旋動作のパフォーマンスが向上し、スポーツのパフォーマンスも向上します。さらに、肩こりや腰痛などの改善にもつながります。写真で示されているのは前屈動作の改善アプローチです。前屈・後屈の動作評価に基づいて、動作の癖や可動範囲を確認した後、それぞれの改善アプローチを行いました。特に後屈動作では、全員が劇的な変化を感じるほど、アプローチ後の動作に変化が見られました。
最後に
コンディショニングスペシャリスト養成講座は今回初開催でした。私たちは正しいコンディショニングの普及を目指し、運動指導者の方々に正しい知識とコンディショニングテクニックを広めていきたいと考えています。それによって、運動指導を受けている方々がより良いパフォーマンスを発揮し、より充実した生活が送れるようにしたいと願っています。
この講座は運動指導者に限らず、治療家の方や個人でも興味がある方の参加も可能です。コンディショニングの知識や技術を習得し、自分自身やクライアントをより良い体の状態に導けるようになりませんか。
次回開催は9/16(月祝)です。詳細は下記リンクをご覧くださいませ。